上司への説明で一番意識していること|ひとり情シスの現場メモ

社内SE、特に少人数やひとり情シスだと、「上司への説明」が仕事の中でもかなり大きな比重を占めている気がする。

サーバをどうするとか、ネットワーク構成がどうとか、セキュリティがどうとか。
技術的な話はいくらでもできるけど、正直それをそのまま話しても、ほとんど伝わらない。

むしろ、
「何をしたいのか」
「それで何がどう変わるのか」
「普段の業務のどこが楽になるのか」
この辺をちゃんと噛み砕いて説明しないと、話自体がスタートしない。

自分が一番意識しているのは、サービス名や技術用語をできるだけ使わないことだったりする。


技術の話をすると、だいたい止まる

昔は、ついそのまま説明していた。

「VPSを使ってサーバを分離して…」
「DNSを冗長化して…」
「バックアップ構成を二重化して…」

今思えば、完全に自己満足な説明だったと思う。

上司側からすれば、

「それで、結局何が良くなるの?」
「今と何が違うの?」

この状態になるのは当然で、話が途中で止まってしまう。

結果、「よく分からないから、今回はいいや」となってしまい、せっかく考えた改善案も流れていく。

このパターン、何度かやって、ようやく気づいた。


「業務のどこが変わるか」から話す

それからは、説明の順番を意識的に変えるようにした。

まずは技術の話を一切せず、

  • どの業務が
  • どう楽になるか
  • どのトラブルが減るか

ここから話す。

たとえばサーバ構成の見直しでも、

「今は障害が起きると全員止まる構成になっているので、ここを分けると、止まる範囲が小さくなります」

とか、

「月に1〜2回、軽いトラブル対応で30分ずつ取られているので、年間で見ると結構な時間になります」

みたいな言い方をする。

そのあとで、
「そのために、こういう構成にしようと思っています」と、技術の話を少しだけ足す。

すると、理解度がまったく違う。


サービス名・製品名は最後に出す

もう一つ意識しているのが、サービス名や製品名は、最後に出すということ。

最初から、

「Xserver VPS を使って…」
「クラウドWiFi を導入して…」

と言ってしまうと、どうしても「それって本当に必要?」という話にズレてしまう。

なので、

  1. 業務上の課題
  2. それによる困りごと
  3. 改善したときの効果
  4. その手段としてのサービス

この順番。

結果として、自分の場合は社内のサーバ基盤に Xserver VPS を使っているけど、それも「安定して運用できて、障害時の切り分けが楽」という文脈の中で説明しているだけだったりする。

サービスを売りたいわけじゃなく、業務を止めないことが目的なので、その手段として選んでいる、という位置づけ。


予算の話は「金額」より「影響」

上司への説明で、避けて通れないのが予算の話。

ここも、金額から入ると失敗しやすい。

「月◯千円かかります」と言った瞬間に、
「高い」「今じゃなくていい」となりがち。

なので、

  • これが止まったら、何人の業務が止まるか
  • 何時間分のロスになるか
  • お客様対応に影響するか

この辺を先に説明してから、最後に金額を出す。

そうすると、「その金額なら安いね」という反応になることが多い。

正直、これは何度も失敗して学んだ。


正直、今でも迷う

とはいえ、毎回うまくいくわけじゃない。

説明している途中で、「あ、これ伝わってないな」と感じることもあるし、
「そこじゃなくて、別のところを突っ込まれるか…」と思うことも多い。

結局、相手次第な部分も大きいし、正解があるわけでもない。

それでも、

  • 技術の話をしすぎない
  • 業務目線で話す
  • 目的 → 手段 の順で説明する

この3つだけは、ずっと意識するようになった。


ひとり情シスは「説明力」も仕事

サーバを組む力、ネットワークを作る力、トラブルを直す力。
どれも大事だけど、ひとり情シスの場合、説明力も同じくらい大事だと思っている。

説明できなければ、

  • 予算が取れない
  • 構成改善できない
  • 結果、トラブルが増える

という負のループに入りやすい。

だから最近は、「どう説明するか」まで含めて設計するようになった。

正直、エンジニアっぽくない仕事だなと思うこともあるけど、
中小企業の情シスでは、これも立派な実務の一部なんだと思っている。


今の正直な感想

上司への説明って、面倒だし、気を遣うし、疲れる。

でも、ここをサボると、後から自分がもっと大変になる。

そう思って、なるべく丁寧に、分かりやすく、業務目線で話すようにしている。

たぶん、ひとり情シスを長く続けるには、
技術力よりも、この「翻訳力」みたいなものの方が大事なのかもしれない。

似た立場の人なら、きっと分かってもらえると思う。